平成14年秋、日本沿岸に“海の悪魔”が襲来した。大型クラゲ(エチゼンクラゲ)が大発生したのである。
大型クラゲはこれまで、ほぼ40周年周期で大発生していたが、今回は前回から10年も経っていなかった。
この段階では、漁業関係者は何の対策も講じることができなかった。
海中を漂う無数の大型クラゲに、ただ呆然とすることしかできなかったのである。
過去の例と照らし合わせて、どうせ来年は来ないだろうという楽観的な考えもあったのかもしれない。しかし、翌平成15年も大型クラゲは大発生した…。
大型クラゲは、各地の漁場に深刻な被害をもたらした。
クラゲを定置網外に排出する時、本来漁獲すべき魚も同時に逃げてしまった。
獲れた魚もクラゲの刺胞毒や圧迫による鮮度低下のため、全く水揚げ高(金額)が伸びなかった。
市場での価値が下がり、売れなかったのである。
また、クラゲ除去作業によって漁業関係者の労働時間が極端に増加していった。
さらに、クラゲが網を破ったり、船のクレーンを破損させるケースもあった。
漁場によっては労働の割に生産高が上がらないため、網を早期に切り揚げ、漁夫を解雇し解散してしまう所もあった。
漁業関係者からすれば、それはまさに悪魔の所業であった。
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