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門前事業所ブログ

沖網「吹き流し」の操業

2022年07月20日

「吹き流し」は、北陸特有の漁具かと思います。(私の知識の範囲では)
以前担当していた相模湾のある漁場では、北陸のものと構造が一緒かどうかわかりませんが「モッタ網」と称する似たような構造のものを聞いたことがあります。(図面が無いので詳細は不明です…)

網そのものの構造は、底引き網の袋網部分に似た袋網状です。網を展開するために天井網に竹を張ってあります。
長方形の箱状の網の先に筒状の袋網がついている感じです。
以下は、陸上に上げてある様子です。

手前が落しオタフク沖側とのドッキング部分(廊下)、奥が魚捕袋部分(オタフク→肘、半タテなどと呼ぶ地方あり)
手前の竹から2本目と3本目の間にジョウゴの枠が見えます。
天井部分を展開するため左右を竹で突っ張ります
手前の袋部分が魚捕。一番手前が袋の魚捕裾をメガネ網にロープを通して束ねている。
この部分を滑車ロープで張って網を展開して網成を保ちます。

構造

落し(第二箱網)の沖側オタフク部分に取り付けられていて、袋の網裾を滑車で引っ張って展開します。
他の地区では、一般的にこの部分に5K角程度の四角い金庫網が取り付けられている漁場もあります。

対象魚種

主にブリ類が対象。
成魚からガンド(ワラサ)、フクラギに対して非常に選択性があります。(ブリ類が良く入るということです)
ブリ類の次によく入るのがサバフグでしょうか。
潮向きや強さによって、アジ・カマスなども入網することもありますが申し訳程度です。

操業の様子

沖網漁場の吹流し操業の様子です。

落しオタフク部分に到着
向かって左が箱網廊下肩。落し沖側オタフクに船がついています。
落しオタフク部分と吹流し廊下を巻き上げます。
魚捕袋があがってくるまで繰り込んでいきます。
袋部分の網裾を開放して魚を取り込む準備。
魚の取り込みの様子。
見栄をはって「まくりダモ」で取り込みましたが、それほど魚がなくて丸ダモに切り替え…
魚の取上終了後、袋網の網裾を締めて、滑車ロープを巻き、締めこんで定位置に戻します。
この日の漁獲:ブリ・ガンド(ワラサ)3.8t。サバフグ少々。