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定置網について

定置網で新鮮な魚を

1.新鮮な魚がとれる訳

朝の数十分というわずかな時間で網の中から船にあげられる定置網の魚は、あるものは生きたまま氷で冷やされ、あるものはイケスや水槽に入れられて売られます。
最近では飲食店や消費者の要望に応えて、鮮度を保つために活け締めなどの特別な処理をする漁師さんも増えてきました。生きたままとれる定置網であるからこそできる方法です。

2.魚に優しい漁法

定置網において魚をとりあげる部分である箱網は魚の群れが泳ぐのに十分な広さがあり、おそらく魚は自分が捕まっていることに気付いていないでしょう。
魚を網に絡ませてとる刺し網や、魚を釣りあげる延縄などの漁法とは異なり、定置網は魚に与えるストレスが少ない漁法と言えます。網の中で食事をする魚や産卵する魚までいるほどです。

3.環境に優しい漁法

定置網では網に近づく魚のほんの一部だけが箱網に入り、その魚も出たり入ったりする事が漁師さんの経験から知られています。
したがって、群れを根こそぎとってしまう「一網打尽」という言葉はマッチせず、「氷山の一角をとる」や「宝くじを当てる」というような表現が似合っています。大漁する時もあれば、空振りする時もあります。その意味で、群れの一部をとる、資源に優しい漁法と言えます。

定置網はロープや浮き玉で作られる型枠を海の上に浮かべ、それをロープや土のう袋などを用いて海底に固定した「側張り」と言われる構造物に網を吊り下げ、魚が迷い込むのを待つ漁法です。
側張りは海の中に長い間入れたままになるので、そこにはたくさんの生物が住み着きます。水中ドローンで調査をしてみると、稚魚の隠れ家やイカの卵があったりと、そこには定置網を中心とした一つの生態系ができていて、まさに魚礁の役割を果たしているといえます。

定置網は大きな網を潮流のある場所に仕掛けるため、色々な漂流物が引っかかります。外国から流れてくるゴミや他の漁師さんが紛失した漁具、時には船が引っかかることもあります。漁師さんはこれを回収してゴミとして処分しています。定置網漁場は海洋環境の保全にも貢献しているといえます。
近年、密漁や密航が問題になることがありますが、漁村とその沖にある定置網の間を毎日往復する漁師さんは漁村の安全確保と沿岸警備の役割も果たしています。

定置網内でのイワシの群れ

定置網の中を泳ぐブリの様子